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文句の多い映画鑑賞『マルサの女』

 
TVでたまたま見かけた宮本信子さんがそれはそれは素敵だったので、久しぶりに伊丹十三作品に手を出しました。

伊丹監督の作品の中で一番好きなのが『マルサの女』です。
相変わらずグロデスクで生々しいセンスが光る伊丹監督ですが、取材の賜物による描写の緻密さもさすが、マルサの女こと宮本信子と好敵手となる山崎努の関係性の描き方も面白かったです。

『マルサの女』を観ていると、かつて就いていた福祉事務所での日々を思い出しました。
行政の中でも最も世知辛い部署と言われる福祉事務所での4年間は、もちろん嫌なこともしんどいこともありましたが、刺激的で楽しく充実したものでした。
お役所仕事と常になじられる職場ですが、お役所仕事にもお役所仕事の理由があり、秩序があり、醍醐味があり、ドラマがありました。
窓口で市民に怒鳴られ泣かれ責められ、それでも出来ないものは出来ないとお断りし、そんな中でニーズを聞き制度利用に結び付けられた時の喜びは、地味かも知れませんが大きなものでした。
『マルサの女』とはそういう映画だと私には感じました。
「マルサ」という特殊部署の一職員の視点から描くことで、日常の職務の中の醍醐味を焙り出す。
普段は納税者として苦い思いをしている観客が「山崎努の脱税を許すなー!」と国税庁側の気持ちにはまってしまうのは、それぞれのキャラクターの面白さ、リアルな脱税とリアルな査察調査、そして脱税する人間も査察調査する人間もどちらにも共感できる人間味がそこにあるからでしょう。納税者である自分は山崎努の気持ちが分かりながら、映画を見ている間はそれを追いつめる宮本信子の気持ちも分かる。
以後の「女シリーズ」も一貫して善対悪の対決構造がありますが、唯一『マルサの女』は善にも悪にも心を寄せられるのが名作である理由ではないでしょうか。

あと、宮本信子の上司・津川雅彦が若くてかっこいいんですけどね…福祉事務所での私の上司は津川雅彦さんっぽかったわあと思いました。
男気があって頼りになって、上司と部下の垣根を越えて対等に仕事ができる人でした。
頼りにし過ぎてしまいには、今の職場に移る時の身元保証人にまでなってもらいましたが、それすら嫌な顔せずその場で書類にサインをくれました。
いい上司だったな~~。また機会があれば一緒に仕事がしたいです。
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